田舎寿司


子供の頃はあまり好きでなかったが、歳をとると好みも変わるわね。。


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田舎寿司はれっきとした日本の寿司文化のひとつで、日本の寿司を扱った書籍には必ず紹介されている。
土佐とはいえ魚介・海草類の望めない、山間部のハレの日の為に工夫された寿司であった。

現在では家庭で常に作られることは少ないと思われるが、地元のスーパーの総菜コーナーや郷土料理店等では今でも入手出来る。

写真のモノは日曜市で買ったもので、朝イチで買えば新鮮かつ酢飯も堅くないとのことで、村正氏のイチオシ売り場である。








みようによっては、動物性蛋白や脂肪の極少ない、精進系の料理で、
現代のファットな握り寿司文化が置き去りにした、寿司の源流(酢飯料理)により近いといえるし
海幸彦・山幸彦のように、単純に海の幸の代用品と言い切れない多彩な魅力を持っている。

で、話しが長くなる前に 早速中身の紹介。

画面左奥は、他県でも見られる卵巻き寿司で、このパックの中の具は色々だったが、
我が家系では中の具が、何故か全く無い、卵と酢飯(胡麻入)だけの超シンプルなものが祖母によってよく作られた。
(巻いてある卵は塩のみで焼いたほうが絶対に旨い!! とあえて断言)

手前のパックの中身は(左上から右に)

稲荷(イナリ)、茗荷(ミョウガ)。蒟蒻(コンニャク)、竹の子

そして左下から

蕪(カブ)、そしてイタズリである。  (注:イタズリ=イタドリ=すかんぽのこと

(この他にも椎茸やリュウキュウ他、葉野菜等を使った寿司が季節ごとに存在する。)


蒟蒻は切れ目を入れ、その中に柚の効いた酢飯を入れてあり、その独特の形状には2種類あって、
蒟蒻を対角線に三角形に切ったものと、真ん中で左右に鉛直に切ったものとあるようだ。
写真のものは、三角形で、これはかつてのMossの名作テント群を彷彿させるし、
写真はないが鉛直なものはAlessiのキッチンデザイン系を連想させるもので
個人的は両方共に、Momaに永久展示されてもいいくらいのカタチの寿司であると思う。

竹の子はハチクという竹の中に酢飯を詰めた、子供の頃に最も苦手な田舎寿司だったが、これは現代的な握り寿司風である。
今食べると[なんでこれが苦手だったのかてんで判らないくらい]旨い!!


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イタズリと茗荷は田舎寿司ならではの具材で、
イタズリに関しては子供の頃に山の中の湧水地や湿地で自生している奴を、
空腹と喉の渇きをいやす為に、枝をポキンと折って皮を剥いてそのまま生食した思い出が深いのだが、
ちゃんとアク抜きして調理したものは蕗の食感に似るものの、蕗ほど苦さを感じさせない上品なものだ。

茗荷はいうまでもなく産地であるので、申し分のないさっぱりとした旨さで食べ飽きない!
まぁ しかしこの2品は昔も今も子供には馴染まない味だろうねぇ。



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箸にもっているのは、いわゆる鯖寿司でこれは山間部ではちと辛いジャンルだが
昨今、人気の焼き鯖寿司の原形というか元ネタ。

鯖寿司や青魚の姿寿司は 土佐では[お客]に欠かせないハレの寿司だが、それ故どうしても食べ残してしまう。
それを翌日、酢飯ごとテッキュウ(鉄網)に載せて焼いて食べるのである。
ほどよく焼けた鯖からでた旨味が、同じく焼けた酢飯(柚酢)に絡み、双方の得も言われぬ味わいを出してくれる。

つまり鯖だけ焼いたらダメという訳だ。。。。

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故人となった父親が昔、東京の寿司店で

「寿司は江戸前に限るなぁ・・・」と感慨に耽っていたのは印象に強く残る言葉だったが、

僕みたいに子供の頃しか郷土料理を食べていない輩には逆になるんだろうか?

広島に出張が多い頃、市内の飲屋街(流川)で、客に連れられ食べた広島の凝った巻き寿司なんかも親近感と共に超絶の旨さを覚えたものだが、

まぁ寿司の世界も隣の芝生はなんとやらということだろうかね。
by coolys1 | 2009-01-19 22:40 | 土佐日記 | Comments(6)
Commented by soave at 2009-01-20 00:12 x
土佐の日曜市の様子は以前ku:nelという雑誌で紹介されていまして、
蒟蒻と茗荷のお寿司は是非食べてみたいと思っています。
他のもとても美味しそうです♪
Commented by 酔之字@まだ宿題中 at 2009-01-20 02:43 x
内陸部というと熟れ寿司の世界と思ってましたが、
こういう進化というか、ミュータントもあるのですね。
子供の頃、寿司というと仕事をしたもの中心の記憶があります。
青モノ白身は酢や昆布で〆てあり、赤身白身は漬け、
貝穴子海老は煮て、干ぴょう巻きとカッパに玉子ですね。
軍艦巻一般化の記憶も定かではありませんが、
(調べてみると久兵衛が昭和16年に、とありますが。。。)
寿司屋も今ほど生々素材主義ではなかったように思います。
一方で、廻る寿司屋でつい子供向けの皿にピクリとしてしまいます。w
Commented by coolys1 at 2009-01-20 12:29
soaveさん
田舎寿司は大阪あたりならなんとか食べられるようですね。
東京ではまだ無理っぽい
大概のものは柚の効いた酢飯が基本ですね。
でも子供のころは苦手だったんです 不思議ですね。。。

もっとも漁港にいけば行ったで、うるめ鰯の寿司とかカマスの姿寿司とかまた魅力的なものが・・・・  ズルッ
Commented by coolys1 at 2009-01-20 12:35
>一方で、廻る寿司屋で・・・・
そーなんですよねぇ ハンバーグ? ヤキニクにソウセージ??
あげくにプリン(あっ これは仕方ないか)

アトムにカッパに  あっこれも違うか

最近は、渋谷とかだと立ち食い寿司に行くことが多いですね。(魚河岸日本一)
青魚ばっかりですが
Commented by KO爺 at 2009-01-20 23:34 x
これは日本人だけだそうですね、年を取ると好きな食べ物が変わるのは。北米の人は子供の時からマックなら老人になってもマック、私の知り合いは肉ばかり食べます。食卓に肉が無いと食べた事にならないそうです、ですから最近は呼んであげません(笑)。内の家内は寿司屋で赤かぶと茄子の握り(?)しか食べません、わかんない。
それにしてもSA31mmは素直なボケでよろしいようですね、あははは。おめでとう御座います(って場所が違うだろうが、、)。
Commented by coolys1 at 2009-01-21 23:25
ko爺さん そうなんですかぁ
でも、日本も革命が二回以上起きてますので、この先どうなるか
わかりませんが。。。でも子供が死ぬまでマックっちゅうのもいやざんすね。

茄子の握り もう最高ですね。いくつでもいけそうです。



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