昨年はanti agingの総本山?である美容形成クリニックを手がけた。
そこでは、いわゆるフェイスリフト等でanti aging(若返り)をするわけだが
外科手術の他 コラーゲン、ヒアルロン酸、ボットクスなど薬品注入法や
ポラリスやサーマクール等という高周波でメスなしでしわ伸ばしする
方法など、多種多様でちょっとビックリしたのだが・・・・
一方、我々の業界ではその逆のことが行われている
つまり、aging。テーマパーク等では昔から行われていた手法なのだが
最近は個人経営の独立店舗でも非常に多くなってきた。
このお好み焼き店は綺麗な集合住宅の一階なのだが
agingによって一気に昭和30〜40年代への雰囲気を醸し出している。
10年も20年も経って初めて出る雰囲気を新装開店時から出してしまう訳なので
おかしなものではある。
極々、個人的な考えでは、最近の特定の年代の設定に頼ったagingには疑問もあるが、
気取らない生活感が見えるあの年代のイメージというのはあんがい我々の心の底にどっしりと
腰を据えた憧憬なのだろう。
都市の中で撮影してもついつい、そういった年代に通ずるオブジェクトを探してしまうのは
自分自身も心の中にそういう気持ちを持っているからに違いない。
でもそんな憧憬探しの写行の片隅でこのように、暮らしとは無縁に自然の成り行きで
歳を重ねていくものも忘れないようにしたい。 石灰の化合物に包まれて日の目を見る筈の無かった砂利達が、自然の力を借り、何十年もかけて元の姿に戻りつつある。
これは墓標ではなく生きている塊だ。
このように歳も出生も全く違う物達がヒトの暮らしに合わせ、肩寄せ合ってあって古びていく姿は美しくはないけれども胸を打つ。
(アンダーでスマヌ)