使っていた麹屋さんが廃業したとのことで、
今年はあきらめていたのだが、突然たっぷりと送られてきたのだから堪らない。
さっそく酒膳の用意。
地元掛川では俗に「金山寺納豆」と言われるが、甘さは全くなく
味噌よりもいわゆる醪に近い。(醤油の元のような)
米麹とのマッチングや気温、熟成環境で味が大きく変わるデリケートな食品で
義母が嫁ぎ先で姑に習ってから、満足に作れるようになるまでに
十年以上かかったそうだ。
義母のは米麹、大豆、麦の他に茄子、生姜、紫蘇の実がたっぷり入っていて
いわゆるモロミとはひと味もふた味も違う、辛口かつやや麹臭い癖のある味わいであるが
そのあたり一旦慣れてしまうとやみつきになる旨さでもある。
麹の入手困難で今年は作らない予定だったが、毎年楽しみにしている人々の
熱いリクエスト!に負けて遠方の麹屋さんに米麹をもとめて、作ってくれたそうだ。
(本人としては使い慣れない麹を使った故に不出来であるというが)
本当は、日本酒でやりたい処だが、あいにく切らしていたので
黒糖のお湯割りでさっそく晩酌。黒糖のほんのりとした甘みとバランスがいい。
台所の鍋には妻が炊きあげた筍があったので一緒に頂く。
この「金山寺納豆」
こうした酒の肴としてもいけるが、本当はお茶漬けにして頂くと最高に旨い。
(もちろんお茶受けにも最高である)