革製品の世界で今、「茶芯」が妙なムーブメントを独り歩きをしているという。
ググればメリケンの「赤羽根ブランド」の作業靴にまつわるエピソードがゴロゴロ! そしてそれは、とあるジャンルの革ジャケット業界にも拡がり、マニアに混乱と絢爛の世界を構築しているようだ。(注-1) その狭くて深いか浅いかようわからん世界を垣間見ていると、ははぁ そういえばカメラの世界には昔からあったなぁと! つまりこれである。 そもそも格好良く黒塗りにしたのに(注-2) 使用している内にエッジから塗装が擦れたり剥がれたりするもんだから、 本当は しかもそれが、アメリカ製品により多く求められているのも興味深い。 ちなみにこのPENTAXのK2DMDは自分が使ってこの状態にしたものではない。この状態になったものを中古(しかもJUNK品)で買ったものだ! 外観がこれなので、傷のないBodyがミント扱いされる中古カメラ界ではクズ同然でもあるので、とても安く買えた。 しかしこれから、カメラの茶芯ブームがleica以外の国産モデルにもとうとう来るとするとそうはいかないかな? いやそれはまず来ないか・・・・ 底板も真鍮なので、いい感じに茶芯が出ているが、底板の上のBody本体のトリム部分は亜鉛ダイキャスト下地なので、塗装の剥げた部分は灰色が出ている。 それはそれで茶芯の次に来ている「灰芯」とよんでもいいのだろうか? これは、我が家で茶芯が出てきたLeatherJacket. 牛革のベジタブルタンニン鞣しに恐らく染料系による黒の表面仕上げなので、二の腕あたりに日焼けや経年で染料が薄くなり元の下地の革の茶色が透けて見えてきている。 これは個体の特徴としてシワ加工させた革を使っているので、このような変化(劣化とは言わない)も味のうちと捉えることが出来るけど シャキッ!パリッとしたモード系のLeatherJacket等をお持ちの方は、日焼けには要注意という訳にもなるのだ・・・・・(注-3) (注-1) 革製品の「茶芯」に関しては、簡単に言えば茶色の下地革(ベジタブルなめしである)に染料や顔料で色付け仕上げした製品が 長期使用及び経年変化においてすれたり染料が飛んだりして茶色の芯革部分が出てきたものと言えるようだが、 たとえばクロムなめしであると下地革は茶色でなく青灰色になるらしいので、それは茶芯にはならない。 あとベジタブルなめしであっても、芯通しで色を付けると、当然茶芯にはならないとか とにかく「茶芯」はその現象を表したり、その製法加工由来であったりしたりするので、一筋縄では括れないようなので、 気になる人は是非ググってもらいたい。 まぁ 冷たい言い方をすれば、「茶芯(出ている状態)」である革製品は、「ただの古臭くなった服や靴」であるので、価値観としては人様々であるとは思う。 (注-2) 昔のカメラは、外装に真鍮を使っているものが多いが、ニッケルサテン系のシルバー系のメッキ仕上げが多かった反面、カメラを目立たせないようにするために 黒塗りや黒鍍金されるモデルも多く、人気が高かったのである。 個人的には塗りの黒よりも黒のPVC加工による仕上げの方が、薄くすれて下地が薄っすら出てくる感じが好みではある。 そんなカメラも70年代から80年代にボディカバーは真鍮からエンジニアプラスチックが主流になり成型色として芯まで黒になってしまい、 表面の保護塗装がすれても茶芯は出なくなった。 現在のデジタルカメラは、放熱の為にまたボディカバーが金属化され、それはマグネシウムになるので、すれると「灰芯」になる可能性が高い。 (注-3) 元の革がクロム鞣しで、顔料系表面仕上げの革製品は、比較的、経年変化が起きにくいらしいし、芯まで仕上げ色に染めたものも同様らしい。
by coolys1
| 2017-12-14 09:23
| 写真機邪道
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Comments(2)
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yanaphoto at 2017-12-15 00:31
私はきれいな方が嬉しいです。
カメラもそれ以外でも。 特にダメージ加工などは、もってのほか。
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coolys1 at 2017-12-16 15:15
まぁ ふつうそうですよね
味が出たというのは、99%古くなったの意味合いです。 ダメージ加工もちょっとこれはやりすぎっていうのは ありますよね。 以前、民芸調の居酒屋の改装で下見して、「味が出てますね~」って言ったら いや、味が出てたのは、もう10年も前の話で、今はお化け屋敷です!って返された笑い話があります。 部分改装するとバランスが凄く悪くなるので 意外にその調整が大変な仕事でした。 我が業界の仕上げ材料も初めからエイジング加工されたものが 幅を利かせて久しいですが、店舗寿命(デザイン含め)が 長くても数年なので、致し方ない部分がありますねぇ。 でもやっちゃいけないのが、フェイクレザーなんかの素材のさらにダメージ加工風のもの。 あれはいけませんねぇさすがに。
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