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フレンチフライ

でも食べ物じゃなくて

[French.Flight jacket]ですね。

60年代くらいからフランス空軍のパイロット達に供給されていたレザージャケット。

こいつは大戦中のA2みたいにコントラクトナンバーがあるようで、実はないらしい?
(つまりすべてその都度民生メーカーからそれらしいスペックで調達してたとか?なんだかよくわかんない感じ)

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このS.A.R.L CASSI社のカスれながらも可愛らしい感じのブランドラベルの付くものは、blouson K6なるジャケットの名称が付いている。
おフランスなのでjacketではなく、やはり仏語のblousonなんであろう
これが空軍に供給されて、実軍に支給されたものか? または軍仕様に基づいて作られた民生品なのかは、自分は全く分からないのである。
*フランスのその手のサイトにいってみても、なによりフランス語が解せないものには何の役にも立たないのであるからね。。。
*ちなみにブランドタグの上にあるはずの、サイズタグは失われているので、正式なサイズ不明なのだ。
(もちろん当然だけど米国A2のように38とか40とかのインチじゃない、、残っている個体のを見ると多分胸囲のcm表記なのかも??)
*それにしてもブランドタグの彼ってもしやB3着てる???


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まぁA2やG1にしてもRやTのマッコイズだって、スーパーリアリズムながら、所謂レプリカには違いないのだから、
このブルゾンK6も難しく考える必要はないのかも知れない。
なので、S.A.R.L CASSI社のこのモデルは自分的には、「現役時代のスーパーレプリカもの」として考えている。(笑)


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このモデルの特徴は以下のような感じ。

*70年代前後の製造品らしい。(間違いなく支給品とは決して書けないけど) 注-1
*どうやらこれの素材はラムレザーであるらしい。(現物は大変柔らかい) 注-2
*当時の標準色である、濃いめのグレーっぽい渋いブルーである。(米空軍のL2Aとかと比べるとロービジなのだ) 注-3
*左腕のシガーポケットはペン差しの付いた丸型の初期型。ゴロワーズがぴったりなのかは判らないけど 注-4
*K6の隠れた特徴とされるウエストのインナーアジャストベルトは何故か無し  注-5
*背中はA2のように繋ぎなしの一枚革のパネルで作られている。 注-6
*左腰のヒドィンポケットには、緊急用の視認性を高めるオレンジベストがちゃんと装備されている。 注-7
*襟元にはボアが付けられるように内側に取付用ボタンが付いている。  注-8
*ファスナーは真鍮製だがシガーポケットのはailee社製と刻印されている。でもメインのファスナー(Wスライダー)は無名。
 (但し、独特かつ繊細なピンロックで固定されるそれは、TARONなんかとは全く違う美しさがある)
 もしかしてeclair社製?とか?(自信なし)  注-9


珍しい当時の着用写真。 *左のロッカーみたいな若者ではなく、おっちゃんの方ですよ。

襟のボアは外しているけど、このようなタイアップも似合う、A2にはない独特のルーズな感じの魅力があります。
(短い襟は立てても寝かせても様になるのだ。 で 個人的にはボアなしの方が素敵だと思う。)

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そして、S.A.R.L CASSI社の広告?  TISSU CUIRは本革の意味か??(自信なし)


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注-1 
色々と調べると大体そんな年代感らしい。60年代終わりから70年代終わりくらいか? いずれにしても50年モノ!!

注-2
この個体には、品質や素材表記がないけど、感触などから恐らくラムレザーである、他の素材としてはカウレザーもあるらしい。

注-3
標準色はなんとも言えないスモーキーなネービーブルーなんだが、他にもブラウンやバーガンディやブラックもあるので面白い(民生品含む)
レザー自体は芯染めしてあるので、アメカジ大好きないわゆる茶芯は出ないだろう。
かなり程度の良いバーガンディに近いものを某所で見つけているけど残念ながらサイズが自分には小さい。

注-4
特徴的な左腕の丸いシガーポケットであるが、後期型(80年代?)は、形が変わっている。(スクエアな形状)
左腕シガーポケットの本場(笑)の米国でも最近はシガーポケットと言わずに、ユーティリティポケットと言うらしい。(ペン差しもあるから)
今は、飛行場でプカプカ吸われても困るのだろう。
自動車では最後まで大きめの灰皿を標準装備してたフランスでもそれは無理からぬことなのだろうね。

注-5
これは、ブルゾンK6の特徴的なディティールなんだけど、
伸縮ゴムが内蔵されたウエストの裾の内側にさらに調整できるボタン&ベルトのアジャスターがあるのだ。
伸縮ゴムがあるから、それで十分、コスト絡みでいらねぇだろうって省略されたのか、民生用なのでないのか? 色々不明。

注-6
背中の一枚革のパネルも、後期型ディティールのものでは2分割にされているものが多いようだ。
やはり仕様材料(皮革)の歩留まりを考えるとそうなるよなぁ・・・と (羊は牛と比べると体が小さいからね)
*韓国製のレプリカ物にもそういったものが見られるけど。

注-7
ブルゾンK6には遭難時にそなえ、このジャケットの上に被ることのできる視認性の高いオレンジの薄い布ベストが標準装備されている。
そしてそれは、ジャケットの左の背中側の内側の下の方にあるファスナーポケットに入っているという訳である。
*ここのファスナーはさすがに樹脂製だった。

注-8
上の写真みても分かるようにボアは取り外しが効くので、現場でもその都度、温度や環境で付けたり外したりしていたのであろう。
中古で流通しているものは紛失しているものが多いというか、付属してる方が圧倒的に少ない。
だからこそ、この個体は官給品だろう? というにはやや無理があるけど。。。

注-9
ファスナーも個体によって色々なのだ、左腕のailee社と同じ用な形状のWスライダーのものもあれば、なんとYKKもある。
近年のレプリカに至っては、シングルスライダーのものもある。
そのレプリカっぽいアトラス等のブランドは、製造も韓国製なので、そういうのには間違っても投資しないほうが懸命ではある。
そういえば中田商店でも昔からこのブルゾンK6のレプリカを作っているけど、(牛革製)なかなかいいお値段になっているようだ。

スリムフィットなA2にちょっと疑問を感じたらブルゾンK6を是非どうぞ!!



注意:私の検証&文章は妄想も多いので資料的価値はありません。 疑問に感じる部分は自分で調べてください!
*そして間違いが判ったらこっそり教えてくださいね。


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by coolys1 | 2019-01-14 22:49 | Equipment | Comments(0)


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