人気ブログランキング | 話題のタグを見る

sinn142B スペースクロノグラフ 復活。



保管中に何故か故障していたsinn142B.スペースクロノグラフ。

90年代中頃に筑波の大学生から中古を8万円くらいで買った代物ですが、正規ルートのOH修理では保証書がないとなんと
基本8万円スタートだとか・・・(保証書あると4万円台スタートらしいけど)*交換部品除く

保証書?? 自分はその大学生からはケースと本体しか引き取ってないので、ダメじゃんなんですが、

そこでTUTIMAを直してもらった街の修理店に相談することに、

まぁまず本体はクロノグラフあるある故障のナンバーワンのストップウィッチのボタンの固着。
これはホコリや汚れや湿気などがたまりやすい場所なので、いわばお約束なので仕方なしです。

問題は保管中に動かなくなっていたこと。
修理店で恐る恐る裏蓋を開けてもらい、様子を見てもらうと

店主の一言。
「ムーブメントに動力が全く来ていないですね・・・・」
「これはもしやゼンマイが切れているかも・・・」
と結構シリアスな見立てとなりました。


さぁさて、これは困ったことです。sinn142シリーズはそのムーブメントが数年前に廃番となった
レマニア社の5100です。(レマニア社はスォッチグループに吸収されてしまいました)

部品としてのゼンマイが日本で入手できなければ、保証書なし扱いでドイツ本国本社送りの”罪人クロノグラフ”なってしまうからです。

修理店主は、レマニアのゼンマイ部品は一応時計部品商に相談してみるけど
最悪は”上記のそれ”覚悟しておいてねと言われましたし。


一週間たって「ゼンマイが入手できました。」ってメールが来た時は、
もう天まで登る気持ち、いや宇宙へ行った気持ちになったのはいうまでもありません。


そしてゼンマイ交換ほかOH修理を終えた142Bがやっと戻ってきました!
あんまり嬉しいので普段は使ってない純正ケースに20年ぶりにいれてみましたよの図


sinn142B  スペースクロノグラフ 復活。_b0058021_14245332.jpg

こうやってみるとオリジナルの黒の塗装(PVDコーティング)もケースのエッジやブレスレット
ボタン・竜頭までかなりハゲハゲですが
人生と共に使ってきたものなので、まぁこれでもいいかと思えるようになりました。
(動いていない綺麗な時計よりはるかに当人には価値がある)

ちなみに、いろいろ調べるとPVD(黒)コーティングは再コーティングが出来るようです。
元のPVDを専用薬剤で剥がして行うらしいのですが、ケースの場合は当然ムーブメントやベゼルや風防ガラスを
完全分解するようになるので、想像以上に高額でした。
(加工だけで20万以上、メカのOHとかもついでにするでしょうから、実際は30万以上かかるはず)
加工しているところのHPみたらブラックケースの商品ラインナップがほぼないROREX製品なんかで
自分は絶対人と違う色にしたいと思う数奇者が頼むような感じでとても20万程度の安い時計で行うものではないようです。

今回、交換したゼンマイ部品(切れてる)なぜ動いていない保管中にゼンマイが切れるのか、時計のメカに
詳しくない自分には理解不能ですが、まぁ寿命と言われればそれまですね。
こんなか細い部品が機械式腕時計の要なんですからね、恐れ入ります。
ちなみに黒いのは裏蓋のOリング=パッキンです。

sinn142B  スペースクロノグラフ 復活。_b0058021_14245394.jpg


スイス製品の証(ちなみにsinn自体はドイツの時計会社です)


sinn142B  スペースクロノグラフ 復活。_b0058021_14245317.jpg


ゼンマイの部品代は約7千円でした。 

なので全体の修理OH代は、保証書ありの正規OH代金スタート価格よりやや安くあがりまして
助かりました。。。




ああ後は生きてるうちに何回OHできるのでしょうかね。


そして腕時計収納ケース見ると、またもや知らないうちに動かなくなってるビンテージウォッチが一台・・・・・
あぁ 来年まで見なかったことにしましょう。。。






by coolys1 | 2019-11-16 14:50 | Equipment | Comments(0)


<< 汁無し担々麺のNew gene... jacket. >>