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Enders 9063の整備




小型箱ストというか、むしろお菓子や宝石箱のような Enders 9063
(Enders Benzin-Baby No.9063)
の整備を行いました。

結構長く作られていたようなので、箱のプリントや五徳の形状などバリエーションが
豊富でサイズもその名の通り小さいのでベイビー9063はコレクションには最適かも知れませんね。

上蓋には何ヶ国語かで、「ホワイトガソリン専用ストーブ」と書かれています。
Benzinは日本で使うベンジンとはちょっと違う、ホワイトガソリンの事ですね。



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上蓋の裏側には、必要最低限の整備工具が綺麗に装着されています。
ニードルピッカーは2本ついていましたが、それが標準なのでしょうか?



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ストーブ本体はこの様に、本体箱に収められてます。


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使用時はこんな感じで、タンクを箱の外に出して、
タンクへの余計な熱を遮断する形で使うスタイルです。



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セラーからは、燃焼テスト済みだが、要整備ですと言われてますので、
気になるところを整備してみることに・・・

ざっと見て触ってみると

どうもタンクポンプに圧がかからないような。気がしましたので
以下のパーツ部分の整備をしてみます。

1.タンクキャップの気密性
2.タンクキャップの安全弁の気密
3.タンクポンプのポンプキャップ部の気密
4.そのポンプのシリンダーパーツの状態
5.燃焼部の燃料流量バルブ周りの気密

つまりパッキンが使われている部分の8割方の整備ですね・・・・












まずはタンク内部の状態の目視を行いました。
目立つサビや腐食はないようです。また内部燃焼部への燃料伝達用のウィッグ(木綿?)も
綺麗そうです。


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燃料補給口のキャップ(異常時に内圧を逃す安全弁装置内蔵している)
蓋自身のパッキンゴムは特に硬化しておらずまた状態も悪くなさそうでしたのでそのまま



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その安全弁パーツ部分


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こちらは経年劣化が気になりましたので、新品パーツに交換(交換したのは互換品です)



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次は燃料ポンプ部分



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ポンプ底部分の加圧時の逆流防止弁をチェック



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ここは常に燃料に晒されている部分なので劣化が進んでも当たり前の処ですね。
幸い燃料キャップの安全弁と共用のパッキンパーツなので、迷わず交換しました。
あとスプリングの状態などもチェック、錆びてなくてよかった〜。



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ところが、肝心の加圧ポンプの革製のポンプカップが触るとあっという間に崩壊してしまいました!
これでは圧が掛かる訳ありませんね。 おそらくこいつが今回の原因の主犯格でしょうね。



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こちらも、互換品を用意していたのですが、エンダースのポンプカップは、コールマンやMSRのストーブのように
簡単に交換ができません。

金属製のワッシャータイプのホルダーで革パッキンを前後で挟む様にかしめているという一体式の専用品なんです。

互換品を購入したSHOPの説明ではワッシャーを再利用するので、
そこに挟まれて残ってしまっている朽ちた革の残骸をキレイに取り除く様にと書かれていましたので、
実践しましたが、全て取り除くのに特殊な工具も多用して小一時間近く費やしました!


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今回の整備作業で一番時間を費やしたところかな。
確かに滓を綺麗に取り除かないと、ポンピングするたびに滓がでて、
それがうっかり燃料タンクに回るなんてことも考えられますのでここは用心すべきところです。



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そして新しいポンプカップをはめ直して、完成!

完成してしまうと当たり前と言うか見えなくなるので苦労の割に達成感は少ないのですが・・・
(ポンプとタンクとの接続部のゴムパッキンも交換したのは言うまでもないことです)


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これでキャップとポンプの整備が終わったので、一度タンクの内圧を上げるテストをしてみました。
(もちろんバーナー部分のバルブは完全に閉めておきます)

最初のうちは交換したポンプカップの革が馴染んでないのか圧がかかりませんでしたが
数十回ポンピングしてみるとカップが馴染んできたのか、明らかに反発するような感覚。

そこでバーナー側のバルブを少し開けると、ノズルニップルから燃料が吹いてきました!



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おそらく、セラーがテストした時の燃料がウィッグやバーナー内に少し残っていたのでしょう!
試験としては成功と言えますが、こういうことが必ず起きるから作業箇所は火気厳禁!(&消火設備確保が大前提ですね)



無事圧がかかり燃料が出るので、本来は整備終了?

でもないんですね。 これで終わったら片手落ちです。
いままでは圧の極弱い状態で燃焼自体は出来ていたのでしょうが、整備によって圧が正常に掛かるように
なるということは、各部に新たなるストレスが掛かるということです。


全て部品やパッキンが同時に劣化して低い圧力のレベルでバランスよく安定していたとして
そのバランスが今、崩れた訳ですから、他の圧のかかる部分も整備しないとダメということです。
こういうのはアマチュアなりにも過去の車のDIY整備で何度も経験(痛い思い)したことですね。


と言うことで、苦手のバーナーのバルブ部分のスピンドル周りを分解することにします。




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スタッフィングボルトを外して、そのままスピンドル軸を左回りに回していくと
すっぽりとスピンドルが外れました。(流石に汚れてますね)


一見綺麗そうに見えた黒いグラファイトパッキン部分に触れると
ありゃま〜 こちらもパッキンが粉々になってしまいました。もうこうなるのを待っていたんでしょうねこいつは、、、いやご苦労様でした!


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ここは流石に専用のフラファイトパッキンが用意出来なかったので、シート状のグラファイトを
適当な大きさに切って巻きつけます。
慎重を期して、丁寧に密着させる様に巻きつけると、、、すぐに千切れてしまいます!

実はそこまでのことはしなくてもある程度の径で巻いておけば、スタッフィングボルトで締めこむ時に
自動的に圧縮して密閉してくれるようです。

ということでゆるめに巻いたグラファイトシートパーツ。 


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これを慎重にバーナー部に戻してスタッフィングボルトで締めこめれば手前の金属カラーがパッキンを押し込んで勝手に圧縮充填してくれるという訳で、
それでOK!



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やれやれ、これで、圧のかかる所と、パッキンのある所は全て点検整備完了です。
またバルブ周りやスピンドルが入る内部や燃焼ニップル周りも全て清掃しました。


再度ポンピングしエアー圧をかけてテストした後は、タンクと直結されたバーナー部のみ、
近所の安全な場所に持って行き(*いざという時に消火用の砂がある所・・・)

燃料をいれて燃焼テストです。

まだ陽があったので、見えづらいですが、これでも燃焼中の写真なんです。


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テスト燃焼時の動画はこちら



by coolys1 | 2020-06-12 15:29 | STOVE & LANTERN | Comments(2)
Commented by ケロケロコンちゃん at 2022-02-10 23:40 x
懇切丁寧な画像と文章ありがとうございます。とてもありがたかったです。
Commented by coolys1 at 2022-02-12 18:49
ケロケロコンちゃんさん
このような辺境のブログがお役に立ててよかったです。
自分でも忘れないようにするためにUPしてますが、、
修理メンテナンスはくれぐれも安全な環境で行ってください。
私は最後の試験燃焼のときは濡れ雑巾をいつも手元に置いてます。 炎上したらかぶせて消火ですね。
でもスタッフィングボルトは燃焼すると必ず増し締めしないと熱膨張でチロチロと日が漏れることが有ります。その時は焦らずに一旦、火を消してから温かいうちに改めて増し締めしましょう。

エンダースは9063も61もエアポンプの構造がプアでそこがネックですねぇ。

私もベイビーをもう一台フルメンテしないといけません!


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