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OPTIMUS 199 Ranger



発売当時は同じOPTIMUS 8R Hunter よりとんでもなく高い値付けで(¥30,000)
でも知らないうちに一万円ほど安い売価になって(¥19,000)
8Rに別売りの純正ポンプ付けるくらいの値ごろ感と判り90年代の中頃にやっと購入に至りました。
そして21世紀も20年すぎる頃になると、レア度が高まり中古でもちょっとしたプラチナプライスモデルに・・・

自分はというとキャンプで数回使ったらMSR Whisper Lite inter nationalにメインストーブの座を奪われて殆ど使われていなかったという
幸薄い箱ストーブの199でした。

その一式はこんな感じ。

ストーブの主要パーツはほぼアルミと真鍮で構成されています。(錆びない)

本体箱に収まるのは燃料タンクと高火力で静かな当時最新鋭のバイフューエルなサイレントバーナー。
8Rのように燃料タンクを箱の外にスライドさせないで、箱に入っていたままの姿で使うという珍しい方式です。
その上が、標準装備のアルミのL型の風防
同じくアルミの上蓋に入っているのが、上蓋を鍋として使うための鍋つかみと
高地や寒冷時に使うエアポンプ、そして高地やアルコール使用時に使うエアーリストラクターです。

唯一、非純正なパーツは火力調整のロングなつまみで、ツール兼用のオリジナルキーは
燃焼中のバーナーに差しっぱなしだとそれ自体がかなりの高温になります。
一度、それで指を火傷した事があって反省し、アルミパイプと家具用の木製ツマミを使って自作したものです。
これならば燃焼中に付けっぱなしでもなんとか火傷せずに火力調整がOKです。




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全部この箱に収まってこんな感じのアルミのお弁当箱になるという塩梅ですね! 
う〜んこれぞ!正しき箱ストであり もしやOPTIMUSの小型箱ストーブの完成形?と思えましたが、
 *実はこの後に10Rという199と8Rの合体作のような高性能で灯油で使えるコブラバーナーを載せた最終形式が出ているんですが・・・
それはもう今となっては199を上まわるレア度でコレクターの悩みのタネのようです。。

まぁそれはさておき とにかく199は大変可愛らしく、静かで、扱いやすい良いストーブです。


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さてこの素晴らしい199ですが、使わなくてもすでに20年くらい動かしていないので、
例によって不要不急、出かける用事のないコロナ月間に消耗交換部品をネットで調達し、各部の点検と整備を行いました。
とは言っても整備は楽でアルミのキャビネットから出せば、本当にシンプルな構造で、
真鍮製の燃料タンクと直結されたバーナー部分のみですからね楽チンです。

タンクとバーナー基部などを真鍮クリーナーやパーツクリーナーで清掃して
購入以来、一回も換えていない、スピンドルのグラファイトパッキンの予防交換を初めて行いました。





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外したパーツも丁寧に清掃し、交換部品(グラファイトパッキン)と並べた図

左下の黒いリングがグラファイトパッキン、その上が真鍮製のカラー。
軸上にネジと歯車の切られた心臓部のスピンドルシャフトと、スピンドルの固定とパッキンの圧縮を行うスタッフィングボルト。
欧州製ストーブに共通するほぼスタンダードな構成です。(上の爪楊枝は大きさ比較用です)



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スピンドルに装着した、グラファイトパッキン、手前のカラーがパッキンの自動圧縮充填には必要な重要パーツで
単純な平ワッシャーのような断面ではなかったです。





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当然のことですが、スピンドルの入るバーナーユニット筒内部もできる限り清掃します。(ここは意外にカーボン等の付着が多い処なのです)




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そして今回、ニップルのジェット孔のクリーニングニードルを取り付け直すのがメインの作業でもありました。



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199は8R同様 スピンドルの軸回転を利用したジェットを清掃するニードルが、スピンドルの歯車と連動されていて
燃焼中にスピンドルを反時計回りに回し、バーナー火力を最大以上にすると、このギア付きのジェットニードルがせり上がって
ニップルのジェット孔をセルフクリーニングするという独自の構造になっております。(ラディウスが原点?)
この方式だと最大火力の先にニードルがニップルジェットの孔を塞ぐ形になるので、そこまでいくと
最強火から一気に最弱火レベルまで火力が落ちることで、その作動状況がわかる仕組みですが、
素人的には、スピンドルを締め切った時にニードルが上がる方のが自然な気もします・・・
(ふとデジタルカメラの撮像素子のセルフクリーニングのシーケンスを電源ON時に行うか、電源OFF時に行うかの悩みに似てると思いました。)




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拡大画像

ニードルが出ているのが判るでしょうか?



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ところが、ところが、このスピンドルのギアと連動するこのニードルの歯型を最適に噛み合わせるのが意外に面倒で、
あーでもないこーでもないと何度もやり直す始末。

まずはニードルの歯型の向きを合わせて落としこまないといけないのですが、構造上、
筒状のバーナーTOPからだと、指が入らないので、田宮のピンセットに登場してもらうはめにもなりました。



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ちなみにこの個体、いつの間にか純正のニードルユニットはなぜか外されていて、しかもその外されたニードル自身が折れてましたので
日本製の(純正より工作精度の高いという)リプロ品を購入しました。(純正品もまだ購入可能です。)

さらにこのニードルの脱着ですが噛み合いの調整が悪いと、最悪スピンドルがちゃんと閉まらなくなったりしますし、(その場合、消火できない!)
また最大火力になる前にニードルが早々と出てしまい弱火から弱火になってしまったりしますので、意外に難しいです。
入れたり出したり試行錯誤をしてやっとこんな感じ? たった歯車一個分の調整の話なんですけどね、でも調整中に噛み具合が全く見えないんですよ!  
(下の写真はニップルをつける前のものでニップルも慎重に付けないとニードルを痛めてしまいますね)





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多分、、、このくらいの針の出方が初期値かなぁと・・・(最大火力の先のクリーニングモードです)

これ考えると、MSRが90年代後半にニップルの下で自由に動いて燃焼中以外はその運搬中にもジェット孔をニードルが出たり入ったりして
自動でシャカシャカとクリーニングしてくれるという"シェイカージェット"ニードルが如何に単純でよかったか判る気もします。
(ずぼら大好きなアメリカ人的発想に万歳です)
もっともウィスパーライトもXGKも構造上バーナー側に燃調用のスピンドルシャフト自体が存在しないので、それしか方法は無かったのかも知れませんが。






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ちなみにこのバーナーはクリーニングニードルがなくても通常は燃焼には差し支えはないようです。
ただし、別の同様な機種でニードル外して使っていたら最大火力がちょっと上がりすぎるきらいがあって
バーナー自体がその熱量で変形しそうになったことがあったので、やはりニードルは付けて運用した方が長生きしそうです。





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OPTIMUSのサイレントバーナーの集大成のコブラバーナーの前身となったこのやや重いサイレントバーナーを持つ
199はアルミの箱を持ってしても兄貴分の鉄の弁当箱の8Rより重いですが、実はアルコールも使えるらしい(使った事がないけど)
ちょいマルチフューエルな小型万能機です。

私の持ってる199は五徳が鋼板のX型の後期型。(ワイヤー五徳の初期型より耐風性が高いかも?)
低地ならば弱火も効くのでご飯も炊きやすい。 でも燃費はタンクが小さいので最大火力だと30分程度でしょうか。






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上蓋は写真のように鍋代わりになりまして、容量的には袋ラーメン一個作れそうです!(しかも前出のとおり専用の鍋つかみも付いているし)
でももうさすがにコレクション化しているのでこの貴重な蓋を鍋代わりに使うことは絶対ないでしょう
(過去には1〜2度使ったことはありますが)



199はいまや実用にするのはもったいないという、不思議な超実用で超イケてる超小型ストーブですね。


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整備後の燃焼テスト動画 (折角綺麗にしたので、汚したくないので予熱はアルコールを使い最低限の時間で行った直後です。)



安定後の動画 十分に熱せられているので、一度消火しても再着火は楽です。(でも意外に火加減の幅が狭いような?こんなだったかなぁ?)


by coolys1 | 2020-06-21 10:37 | STOVE & LANTERN | Comments(0)


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