引き渡し前夜。
イスもはいっていないし、意匠的に大きな意味を持つ造作物ががまだ
付けられていないので、ちょっと最終イメージと違う。
右側の棚には焼酎がどっさと並ぶのだろうが、オーナーによると本来は昼の営業の
イメージが先行したコンセプトであった。
設備の条件が悪い物件なので、未解決の問題もいくつか抱えており頭が痛いのだが
ハードな仕事は山を越えた感じはした。
(オープンまでの数日間はまだまだ仕事は多いので、これからが本番とも言える)
ところで私は引き渡しが終わったり、オープンしたりして肩の荷が少しおりたら
家に帰り、家族が寝静まってから、酒を飲みながらヘッドホンで好きな
音楽を1〜2時間聴く癖がある。
そのときに聴く音楽は、けっして癒しの音楽ではなく、リズムやビートのはっきりした
曲や野太い男性ボーカルが多い。
内装業の現場は凝縮していて、まさしく「俺達に明日はない=あるのはオープンのみ」というノリでまるでお祭り騒ぎ、(故にレジデンスとは一線を画すのだ)
そんなお祭りのまっただ中に2週間以上いると、異常に高まった高揚感や連帯感とは
裏腹に妙に醒めた自分がもうひとり出てくる感じがする。そんなときに癒しの音楽を聴いてしまうと、とことんまで落ちるような気がしてしまう、だから聴けない。
もっとガンガンと男に吠えられたいのだ。
ということで、私の峠越えミュージックの定番歌手は自然に「ジョン・ハイアット」
となるのだった。
まったくもって思いの外の選挙結果になりつつある、午後9時50分。
郵貯や簡保にあんなに金がある訳が分かった気がする。